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役員紹介

OFFICER

理事長挨拶 本井 啓治 「皆さまこんにちは」

日ごろは会員の皆様方には会務運営に多大なご協力・ご理解を賜り、心より厚くお礼申し上げます。皆さま方ご存知のように、当会は、平成9年に会を立ち上げ、平成25年7月に一般財団法人化し、全国の税理士・会計士・弁護士による社会福祉法人様をクライアントに多く持つ専門家集団でございます。

理事長挨拶

 以来、全国の会計事務所様等にご参加をいただき、その活動は25年近くになろうとしています。この間、会員向けのコンサルティングや研修会の開催、あるいは行政等からの委託事業の実施等に取り組んでまいりました。
税理士業務は、主に申告書の作成を通じて適切な税の徴収を主な業務としていますが、当会会員はさらにその徴収された税の一部が社会福祉法人に対し補助金・助成金等として公金支出されますので、その支出が適切に使用されているかどうかをウオッチする業務を顧問契約・監査契約等を通じて実施していただいております。
そのためには、「社会福祉法人会計基準」「社会福祉法」を初め関連法規・各種厚労省の通知等を必然的にマスターする必要がありますので、当会会員に対しそれらのサポートをするのが当会の設立目的であり、いわば顧問の顧問のような位置づけです。

 そこで、今後の当会の行動指針(アジェンダ)は大きく二つと考えます。
一つ目は、言うまでもなく会員の先生方の事務所に対するサポート業務の充実です。
そのためには、当会内に各種委員会を立ち上げており、
①会員サービス向上委員会による春・秋等の会員向け研修会の開催
②同委員会による地元会員事務所との交流研修会の実施
③同委員会による各種議事録文例集・留意点のご提供
④質問回答委員会による社会福祉法人の会計処理に関するご質問に対する回答
⑤広報・IT委員会によるホームページの内容等のより一層の充実
⑥faxnews編集委員会による月2回のfaxnewsのご提供
⑦財務分析PTによる全国の21,000の社会福祉法人様の財務分析データのご提供等等です。
また、令和3年1月から定款を変更し、従来からの正会員・賛助会員以外に特別会員(施設会員)・特定会員(全経会員校)の制度も設け、会員の皆様方にお役にた つ会員サービスメニューをとり揃えていますので、皆様方のお知り合いの方々のご参加をお待ちいたしております。

二つ目は、当会自らが実施する各種社会貢献事業の展開です。
①毎年実施しています社会福祉法人簿記会計検定試験の実施
②社会福祉法人職員様に対する各種研修会の開催等
③その他厚労省への各種提言書の作成

その代表である検定試験は、社会福祉法人会計が一般企業の「複式簿記」とは異なり、財務3表(BS・PL・CF)を同時に作成する会計(換言すれば「トリプル簿記」)に特徴があり、社会福祉法人会計基準の正しい理解が必要であるとの考えのもと、平成17年度から実施しています。
また、この検定試験は第15回から、公益社団法人全国経理教育協会様との共催により、同協会の公益事業として内閣府から認定を受けたことで、より公的な試験となっています。
一方、平成28年の社会福祉法の大改正によりまして、社会福祉法人のガバナンスの強化・事業運営の透明性確保・財務規律の向上は、我が国の社会福祉制度を支える社会福祉法人に対する日本国民からの強い要請です。社会福祉法人が将来にわたって、その重要な役割を果たしていくためには、経営管理・会計業務を担う優秀な社会福祉法人の役職員や社会福祉法人と顧問契約・監査契約をしている会計事務所職員を確保・育成していくことは今後ますます重要となります。
指導監査・会計監査等の外部監査による外部からのチエックももちろん重要ですが、全国の社会福祉法人の74000の施設に会計2級合格者を1名でも配置していただくことで、各施設の経理担当職員の資質を内部から向上することが期待できます。
そのためには、個々の役職員が有する技能と経験に応じた適切な評価や処遇を受けられる環境を整備することが必要不可欠です。
しかしながら現状はどうでしょうか。それら役職員の個々の能力は統一的に評価されにくく、また職員配置基準の対象とはなっていないため、これだけ会計基準が複雑且つ高度化されたにも係わらず、一定の経験を積んだ役職員が果たしている役割や能力が処遇に反映されにくい環境となっています。
こうしたことから、それら役職員の処遇の改善や技能の研鑽を図り、キャリアアップシステムの構築のインフラの一つとして、当会が実施する検定試験を利用していただきたいという思いです。
そのような中、今年度実施の第18回検定試験からは、厚生労働省の後援を受けることができました。今後はより一層公的な試験制度として取り組んで参ります。

社会福祉法人が果たすべき領域は今後益々広がる一方であり、それにつれて今後、当会会員の皆様方の活動領域はさらに一層拡大することが予想されます。
当会及び当会会員の願いは、上記の二つの行動指針(アジェンダ)を通じてそのような社会福祉法人の皆様方の事業経営と成長のお手伝いをさせていただくことにあります。
今後とも当会の会務運営にご協力のほどお願い申し上げます。

会長 中村 秀一

私は、1973年(昭和48年)に旧厚生省に入省しました。公務員生活のスタートは老人福祉課でした。以後、1990年には老人福祉課長、2002年には老健局長、2005年には社会・援護局長を務めました。
さて、平成もいよいよ終わります。平成を振り返り、今後の展望をするよい機会であると思います。平成は、元年の合計特殊出生率が1.57であり、1966年の丙午の1.58を下回った「1.57ショック」で始りました。その後も少子化は歯止めがかからず、総人口は平成20年(2008)の1億2,808万人をピークに減少に転じ、人口減少社会に突入しています。高齢化率は、平成2年(1990)の12.1%から平成30年(2018)の28.1%まで急上昇し、超高齢化社会となっています。
株価は平成元年(1989)12月29日に3万8,915円の史上最高値を記録しましたが、翌年10月には2万円を割り、バブルが崩壊しました。現在、史上最長の景気拡大局面にあるとのことですが、未だデフレ脱却はできていません。

顧問挨拶

社会保障の規模は、平成元年度45兆554億円(対GDP比10.83%)から平成30年度には121.3兆円(対GDP比は21.5%)へと2.7倍となっています。国の予算における社会保障関係費は、
平成2年度11兆5,446億円(歳出総額の16.6%)から平成30年度32兆9,732億円(同33.7%)へと2.8倍に膨らんでいます。
この間、医療保険制度や年金制度は、制度の持続可能性を確保するため、厳しい見直しが行われてきました。他方で、高齢者介護は、ゴールドプランの制度と福祉8法の改正で幕が開き、2000年には介護保険制度が導入され、措置の時代では考えられない、豊富な介護サービスが提供される社会が構築されました。
平成が終わり、新しい時代を迎えるに当たり、これからの福祉はどうあるべきか、そして社会福祉法人はどのような役割を担い、社会に貢献していくのか、が問われています。皆さんとともにこの課題に取り組んでいきたいと思います。